西洋医学の診察法は、問診を中心に、主訴、病状の起始経過、既往歴、家族歴等を聴き、身体の現在の状態を一般的な検査(尿検査、血液検査、画像診断)等を行ない、異常の有無をチェックする。一方、漢方医学の診察法は、検査を行う事がないので、望診、問診、聞診、切診、という四診を行っている。望診とは西洋医学の視診の事であるが,ただ見ているのでは無く、病状を観察して、直ぐに診断を下す事がある。「望んでこれを知る。これを神という」見ただけで判る医者を神医というが、そこ迄の境地に達する事は中々できない。問診は漢方医学の知識に沿って、患者さんの言っている事を整理して、今ある病気が漢方医学的にどの病位にあるかを判断する。聞診は臭いや呼吸音の様な音を聴いて判断する。切診には腹診と脈診があって、それ独自の情報とそれ迄に入って来た情報を、確認する意味合いがある。漢方医学は人間の持つ六感をフルに使って、診察する様なシステムになっている。触る事で多くの情報を得ているのである。
2010.12.15 旧ブログにて投稿